アクション好きが観てきた映画感想!!(あくまでも個人的な感想です)

映画の感想をブログでやってみます。なにぶん素人ですのでどうか暖かい目で見てほしいです(不快になられても責任とれませんので悪しからず)

ワンス・アポンア・タイム・イン.......ハリウッド エクステンデットver

ワンス・アポンア・タイム・イン.......ハリウッド エクステンデットver

監督・脚本 クエンティンタランティーノ

出演 レオナルドディカプリオ ブラットピット
マーゴットロビー






短文感想
ハリウッド一の映画オタクが描く『アメリカの夜』より俗悪的で『ヒューゴの不思議な発明』より暴力的で『アーティスト』より美しい偏執的映画愛が炸裂した西部劇

個人的リンク率 120%

















【ネタバレ感想】
ワンスアポンアタイムインハリウッド(ワンハリ)の特別版を観てきました!!
特別版と通常版の違いは後で書きますので、先に映画その物の感想を書きます。

大変、面白かったです。
ディカプリオとブラピのブロマンスとハリウッドの闇とも言うべき惨殺事件、これらを組み合わせるこんな展開は本当に予想が出来ませんね。

個人的に好きなのが、ディカプリオ演じるシャロンテートの隣の家に済む俳優リックの撮影現場のシーンですね。落ちぶれたTV西部劇のスターが自身のキャリアの終わりに直面してボロボロの状態に加えて、折角出演できて何とか食い扶持を繋いでる現場では大嫌いなヒッピーをイメージした衣装を着ることになり、メイクも強烈になって自分が誰かわからなくなる状態になり、そんな日々から逃げるように毎晩毎晩飲んでた酒のせいで必死に練習した台詞もボロボロ・・・おまけに共演する若い子役は純粋無垢で今の自分よりも確りしてて自分に情けなくてボロボロの状態からの正に観客もスタッフも魅了する悪役演技!!
ここの部分は本当に泣けました!!
実際、ディカプリオってタイタニックのイメージが強すぎて似たり寄ったりの役が多かったなか、タランティーノのジャンゴで極悪キャラをやって振り切れた印象があるので、メタ的な意味も含めて泣けました!!男泣きです!!!

一方その頃のブラピ演じる愛犬家暴力スタントマンにしてリックの恋女房のクリフはマリソンファミリーと接触
チャールズ・マリソン本人とは接触してませんでしたが、コミュニティにヒッチハイクしてきた女を送りに来たが、かつての撮影現場に群がる新しいコミュニティを訝しげに見たクリフはオーナーであるスポーンに会うため、コミュニティの制止を振り払って会う(結果はスポーンが見事にタブらかされて、貸してた)ただし、この男、超暴力的で悪名高いスタントマン。
おまけに手が凄い早い。
マリソンファミリーの皆はクリフに対して大ブーイング。そんな時、車のタイヤをパンクさせた男をその場でボコボコにしてタイヤを直させて去って行った。(これがクリフのキャラの説明にもなってる)

舞台は暫くして、リックは食い扶持を稼ぐために嫌だったマカロニウエスタンに3本出演した後、イタリアのスパイ映画に出演。共演した女優と結婚してハリウッドに帰ってくる。相棒のクリフも一緒に行き、稼いだもののリックから家も売り払って安いところに暮らすと言われ、ミズーリに帰るかもしれないから、雇えないとまさかのリストラを言われる(二人ともこの事に関しては完全に合意してる)

ハリウッドに帰って来た二人は最後の晩餐としてレストランで浴びるように酒を飲んだ後、リックは更に酒を飲み、クリフは自分の犬の散歩(麻薬を吸いながら)をする。
するとマリソンファミリーがシャロンテートを殺しに来ますが、ヒッピー嫌いのリックはマリソンファミリーに対して何とさっさと出ていけと言って追い出します。
するとマリソンファミリーはまさかの標的をリックに変更。リックはそのまま自宅のプールで最後の夜を過ごそうとしているなかにクリフが帰宅。そしてそこにマリソンファミリーがやって来るという展開です。
結果は、マリソンファミリーの二人がクリフによって殺されて、最後の女はリックが昔やった役の小道具である火炎放射機によって丸焼きにされます。
最後は、怪我を負ってしまったクリフを救急車で見送った後にリックはシャロンテートと友達のパーティーに呼ばれて終わります。

見所はたくさんありすぎて、1つに絞れませんね。
ただ、わかった事があって、深読みもしくは飛躍しすぎという可能性が高い事前提なんですが、この映画って西部劇的なんですよ。
ミズーリ出身の若い頃はブイブイのってた中年の落ちぶれ男と暴力的な相棒の二人が、ハリウッドに闇をもたらした暴力を屁とも思っていない邪悪に対して暴力で蹴散らすって言うマカロニウエスタンチックなんですよ。
マリソンファミリーも凄い短絡的で、リックを標的にしたのもテレビでずっと観てたからなんですよ。動機が『殺しを観客に教えて金を稼いだ豚を殺そう』って言うのが理由なんですよ。

このマリソンファミリーにとっては災難としか言いようがないクライマックスはもう盛り上がるしかなかったです。究極の自業自得、因果応報を味わってるので盛り上がらない訳がない。

勿論、この展開には物凄い批判もされてますが、事実を映画にしたときにリアルではなくて夢を選んだタランティーノ監督には称賛を贈った上で批判してほしいと思います(普通、こんなの思い付いてもやらないから)

因みに10分の追加シーンは主にタランティーノ映画名物のタバコ《レッドアップル》の宣伝が7割で残りがリックが主演してたドラマと食い扶持で出てたドラマの設定の説明で終わってました(こんな分かりやすい追加シーンなんて前例がないと思う)

まぁ、好き嫌いはあると思いますが、クライマックスまではほぼ60年代の俳優とスタントマンのブロマンスで構成されていますので、オタクとしてのタランティーノを楽しめます。
これはタランティーノのハリウッドに対する傑作映画でもありますが、寧ろハリウッドを愛しているタランティーノが制作したラブレターを現代を舞台にした西部劇で描いたと捉えるのが相応しいと思います。