アクション好きが観てきた映画感想!!(あくまでも個人的な感想です)

映画の感想をブログでやってみます。なにぶん素人ですのでどうか暖かい目で見てほしいです(不快になられても責任とれませんので悪しからず)

デスウィッシュ

『デスウィッシュ』

監督 イーライ・ロス

脚本 ジョー・カーナハン

原作 ブライアン・ガーフィールド

製作総指揮 イロナ・ハーツバーグ

出演 ブルース・ウィルス
ヴィンセント・ドノフリオ
エリザベス・シュー
ディーン・ノリス
ボー・ナップ


短文感想
70年代のテイストを見事に現代にプッシュアップ、しかし、いささか盛りが少ない。

個人的リンク率 80%











【ネタバレ感想】
R-15の作品の中でも見やすく、とても面白かったです。

素晴らしい所から言います。

まずは、主人公が外科医である所とシカゴの町が犯罪の温床になっている所。

実際のシカゴを見たことがないので、詳しくはわかりないという前提がありますが、この映画の主人公のポール・カージーは外科医で、くる日もくる日も緊急に運ばれてくる患者を手術したりしています。

患者の中には悪人もいて、主人公は悪人も助けようとしますが、ある日、三人組の強盗に妻を殺され、娘を撃たれて昏睡状態にされ、主人公は悲しみ、警察の捜査もしてないわけじゃないけど、あまりにも犯罪の数が多いから、手が回らず、後回しになってしまう。

妻の葬式で義父から自分の身は自分で・・・
と言われた主人公は、妻を殺した強盗に復讐するために暴走するってのがあらすじで、

外科医で、人を助けるのが仕事なのに人殺しすらも助けないといけないのかと言う主人公の葛藤が大変素晴らしく、そこだけでも見応え十分。

外科医の設定が、今までのアクション映画と違った色を出していて、三人組の強盗の一人(娘をレイプしようとした奴)を拷問する下りは、エグく痛々しくて、外科医で人体の構造を知っているならではだったので、新鮮でした。

次にこういう復讐ものの定番の警察のポンコツの描き方ですが、ポンコツと言うよりも寧ろ手練れと言う印象の方が強いです。

人が良くて、少しの情報から暴走している主人公を捜そうとしている姿を描いたのは素晴らしかったです。
主人公が自警団活動を初めて、人を殺した時、銃の持ち方が下手で怪我をしたことを、後ろから携帯で映像を撮っていたバーの女性の動画から、組織の人間じゃなくて素人って言ったり、左利きの部分から情報を探したり、人を殺すタイミングから過去の事件の遺族被害者で前歴がある人間から聞き込みをしたりと素晴らしい描き方で、ここも見応え充分でした。

次に外科医の主人公が銃を手に入れる下りですが、ここは映画的なフィクションで緊急に運ばれてきた悪党が落とした銃を、他の医者や看護師に見つからないように取るので、ここら辺は映画的なフィクションでしたね。

銃周りでは後に銃弾が出てきますけど何処から取ってきたのか分かりづらかったです。まぁ映画の本筋じゃないから描いてないんだと思いますけど、

次に、町です。
町の描き方が何より素晴らしいんです。
犯罪の温床で住民が酷い目にあっているけど、警察も人手不足で手が回らない。主人公が最初の殺しで黒人のカップルを車強盗から助けるのですが、カップルは主人公を守護天使って言って、後ろのバーで動画を撮っていた女性は、殺すところも確り見ちゃったから、死神って言ったり、主人公の行動を単純化させてないのが良くて、次の殺しの時は、黒人の薬物売買を元締めてる奴を真っ昼間の住宅街の中で殺し、ラジオでこいつの行動はどうなんだって議論しているのが良く。また、主人公の模倣をした奴が殺された事もニュースとして流して町が反応する。
完全に町を見事に描いていて、常に主人公の行動を議論している所が面白かったです。

作りやニュースの内容は違うけど、ロボコップスターシップ・トゥルーパーズに近いですね。

後、この映画って70年代の『狼よさらば』のリメイク何ですが、このタイプの映画に原型があって、サムペキンパー監督の『わらの犬』という作品が所謂、被害者が加害者に暴力的に復讐する映画の原点で、70年代はこういう映画がバンバン製作されたので、こういうタイプの映画を『わらの犬症候群』と呼ばれてました。

後、監督のイーライ・ロスの演出が凄くて、この監督は日本で映画ファンだけじゃなくて、色んな方が知ってる映画だと『ルイスと不思議の時計』がありますが、世界的に有名になったのが、『ホステル』です。

はい、エグいという言葉が生ぬるく感じるくらいエグい映画で、これ以降、監督する映画がこれテイストなのが多く、タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』で俳優として出演されてますが、これまた、物騒な役柄なので、この映画もR-15となってる以上、エグいかと思いきや、いつものイーライ作品に比べればだいぶマイルドでした。

主人公が強盗を拷問する所以外の言葉はつきますけど・・・


ただ、ここからは不満点になりますが、いつものブルース・ウィルス作品とイーライ・ロスの作品を観ているといつもに比べて盛りが少なかったかな?って思います。

主人公は罪に問われませんし、昔喧嘩が強かったけど今は外科医って設定と70年代の映画のリメイクだから、そんなに大暴れするのも可笑しいですけど、この監督と主演だから、もう少し盛ってるかと思って意外にあっさり言っているから、些か不満です。


最終的には、娘は無事に意識を戻して、大学に送り、近くで泥棒している奴に指鉄砲を向けて終わりました(ポスターまんまです)