『ソドムの市』
監督・脚本 ピエル・パオロ・パゾリーニ
音楽 エンニオ・モリコーネ
原作 マルキ・ド・サド
短文感想
あまりにも衝撃的すぎる内容の作品。
人間の欲望の象徴のような劇物
個人的リンク率 -100%
この映画は、上手いとか素晴らしいとかそういう次元の映画ではないので、この%になりました。
決して、駄作ではないです。
ただし、不快になる作品なのは確かです。
内容も完全にR-18ですので、この先のネタバレ感想も殆どネタバレ感想のレベルとは思えないくらい省きながら書きます。
一応、閲覧注意と書きます。
良いですか?
責任はとれませんよ。
【ネタバレ感想】
まず、舞台の背景が自分の今まで観てきた映画では 中々観たことがない時代背景で連合国に降伏してファシズムが北イタリアでナチスの傀儡政権をやっていた時のイタリア社会共和国時代で、原作は18世紀のスイスから変わっているから、ここでもうパゾリーニ監督の政治的意図がわかります。
次に、サロと言う町で少年少女が親衛隊の人間に連れていかれて大統領、公爵、司祭、最高判事の四人とその息の掛かった面々により、男女各9人ずつに選ばれてしまい、秘密の館に連れていかれて・・・
もう、口を手で塞ぎたくなるような展開が延々と続けて起こり、具体的に言うなら(言いたくないけど)、広間で夫人が猥談をして、大統領、公爵、司祭、最高判事の四人は、途中で計16人(二人、来て早々に死にます)の中から1人連れて隣の部屋で、変態行為を行います。
猥談はその行為をする欲望を掻き立てる物。
他には、その猥談で行われた行為をその場で実践したりと、AVとは違い、淡々ともう観客の感情とかそんなのを突き放すかのように撮ってるから観てて不快になりました。
しかもこの大統領ら四人、サディストだけでなくマゾヒストでもあり、自分の欲望が満足できれば少年少女関係なしだから、そこの部分も不快になりました。
不快に思わなかった部分がこのこの映画には存在しないです。
次に監督は、政治的な主張もこの映画に込めたようなんですが、反ファシズム以外、分からなかったのが、僕の現状で、恐らく観る人が観ればわかると思うのですが、僕にはそれしかわからなかったです。
あくまで個人的な解釈で言うならば、クライマックスの前に殺される前の晩に少年少女がそれぞれの秘密を大統領達に自分の命を守るためにバラシていくのは、人間どんなに苦難を共にしようとも自分を守る為なら敵になるって事なのかな?(合っているかわかりません)
最後に少年少女達が殺されている傍ら、少年警護兵達が踊っていた理由はなんなんだろうなぁ?
僕には、まるで一見幸せそうに見えてもその足元に地獄が積み重なっているように見えて恐ろしく感じました(この解釈も正しいかどうかわかりません)
後、Wikipediaにも書かれているから言うけど大量の強烈なスカトロ描写
あれはなんだったんだ?
何を批判してたんだ?
わからなくてもどかしいです(別にわかりたくもないんですけど)
恐らく、この映画を完璧に理解できる人間がいるならば、政治的な意図も理解でき、背景の歴史を理解でき、なおかつ演出と脚本、そして原作を理解できる人間だと思います(それができる人間は恐らく存在しないと思います。主に原作の部分を)
完全に理由するのだったら、政治学者、歴史学者、精神科医、映画監督、文学者、映画評論家、性的嗜好を分析するための専門家を詰め込んだスペシャルチームが必要だと思います。
原作はサディストの語源となった人物で生涯、刑務所と縁が深かった人物で、獄中でこの原作を書いています。
この原作はこの後、原作者の手から離れてしまい、原作者も復元しなかったようです(理由は、自分の想像力を越えられなかったとか、自分の妄想のエロ小説だから復元する気が起きなかったとか色々あります)
何はともあれ、強烈な印象が嫌でも残る作品ですので、これで感想は終わります(気になる人は観ても良いけど、責任は取れません)